家庭菜園はコンパニオンプランツで。失敗から学んで気づいた体験談。

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以前、都会の賃貸マンションで暮らしていた時にも家庭菜園には何度かチャレンジしていました。

コンクリートのベランダにプランターを置いて苗から育てていました。

ミニトマトやバジル、それからリボベジで再生したネギや玉ねぎを植えてみたりもしてみました。

しかし、そのほとんどはそんなにうまく育ちませんでした。

気がつけば虫に食べられていたり、いつの間にか枯れていたりしたのです。

その時は「コンクリートの地面が良くない」とか「日当たりがイマイチ」などと考えて諦めていました。

しかし、今思えば一番の原因は私の観察不足にあったのだと感じています。

ベランダの広さは充分にあったのですが、無機質であまり出る気になりませんでした。

今日は暑いなぁ。雨が強いなぁ。そう言っては家の中から眺めるだけで、きちんと手助けできていませんでした。

そして、日に日に弱っていった植物やうまく育たなかった土が、ベランダの脇に追いやられていきました。

苗を買ったとき。私はスクスク育った野菜を息子と摘んで、食卓に出すことを思い描いていました。

夢の種のはずでした。

しかし、それがいつしか、どう処分しようとため息をつき、また今度考えようと悩む種となっていたのです。

「コンクリートの床が問題なら、台の上にプランターを置くなり、レンガで底をあげるなりしてあげれば良かった。」

「出る気になれないベランダなら、出たくなるようもっと工夫するべきだった。」

「植物が弱ってきたなら早めに状態を確認して、何かしら対処してあげるべきだった。」

賃貸マンションでの家庭菜園は、こんな感じでいつも長続きせず、結局夢見て終わってしまうことが大半でした。

だけど、どうしても植物を育てられるようになりたくて、引っ越しを機にとことん向き合おうと決めたのです。

自然界の中では、植物は人の手を借りなくとも、環境に適したところで互いに共存し合い、生きています。

しかし、庭やプランターで育てるのであれば、やはりその植物にあった環境を整えてあげなければいけませんよね。

足りないところを少し手助けしてあげれば、植物はぐんぐん育つのですから。

家庭菜園におすすめ!コンパニオンプランツ栽培

我が家は2022年に、都会と田舎の真ん中くらいの場所に家を建てました。

自宅の周りは一軒家が建ち並ぶ住宅街。昔ながらの入り組んだ道や行き止まりの道沿に古い家や新しい家が並んでいます。

ところどころに田畑があり、家と家の距離は都会ほど密集していません。

しかし、自宅の敷地はそこまで広くありません。100平米ほどの土地に家を建てたので、それ以外が外のスペースです。

外構にはウッドデッキを作り、駐車スペースは砂利を敷いているため、庭と呼べるスペースほとんどありません。

△LDKから続くウッドデッキ。土間キッチンからすぐ出られるのでバーベキューもよくする。

ですが、ウッドデッキ内や玄関周り、シンボルツリーの横など、工夫すれば育てられる場所はありそうです。

そこで、リビングから続くウッドデッキ内にはハーブを数種類、玄関横には野菜メインのプランターを3つほど置くことにしました。

コンパニオンプランツは育つ風景も食卓も豊かに彩る

△フリルレタス×サニーレタス×サンチュ×イタリアンパセリ×カーリーパセリ×マリーゴールド
△ナス×大葉×生姜
△ミニトマト×バジル×マリーゴールド

プランターで家庭菜園する場合、プランター内に相性の良い植物をいくつか組み合わせるのがおすすめです。

一つのプランターに同じ種類をたくさん植えるより、いろんなものを少しずつ植えるのです。

小さなプランターでも、その中で一つの世界が成り立つような雰囲気があり、色鮮やかで、豊かです。

順調に育ったときに毎日同じものばかり食卓に上がって「またこれー?もう飽きた。」と言われる心配もありません。

コンパニオンプランツはお互いに高め合って成長する

△ウッドデッキ内のハーブ。左からサラダバーネット×チャービル×チャイブ×ベルガモット×ワイルドストロベリー
△ローズマリーとタイムは繁殖力が強いので、他のハーブと別のプランターで育てている。

そしてコンパニオンプランツは何よりも植物自身が喜ぶというのが最大のメリットです。

仲の良い組み合わせだと、お互いの成長を高めあったり、害虫除けになったりしてくれるのです。

せっかく家庭で育てるのだから、できるだけ無農薬で育てたいですよね。そんな願いの手助けもしてくれるんです。

また、野菜によっては連鎖障害(同じ場所に同じ野菜を作り続けることにより生育不良や害虫などの障害が出ること)に悩まされるものもあります。

しかし、コンパニオンプランツを取り入れることで、連作が可能になったり、被害を抑えたりすることもできます。

これはつまり、土壌内の状態を良くしてくれているということなんです。

人間の環境に置き換えてみると、家庭や職場でも同じようなことが言えます。

例えば、いくら能力が優れていても同じ分野に偏っていたり、作業は早くても片付けができなかったり。

そういう人たちばかりが集まっていると、やがて家の中も会社の中も乱れて汚くなり、仕事が捗らなくなりますよね。

それどころか、空気が悪くなってやがて人間関係までギスギスしてしまうことだってあります。

しかし、トップでバリバリ動いてくれる人もいれば、縁の下の力持ちをしてくれている人もいる。

テキパキ作業をこなす人も入れば、細かいところに気がつき、いつも掃除をしてくれる人もいる。

そんなふうに、いろんなタイプや役割の人がいる環境だと、バランスが保たれるのです。

人も植物も、おんなじなんですね。

家庭菜園のおすすめ理由は生きる力が育つこと

食べるために働く。生きるために働く。

現代社会でそれが意味するところは、結局働いてお金を得て物を買うということ。

ところが、収入はあまり変わらないのに、食品や光熱費などさまざまな物価がどんどん値上がりしていきます。

「家計が苦しくなるなぁ。仕事を辞めるわけにはいかないなぁ。もっと働かなくては。」

どこまでいっても、そんな目に見えないプレッシャーがずっとありました。

その上、日本の食糧自給率は37%(2022年時点)。世界で見てもかなり低い水準です。

食糧のほとんどを外国からの輸入に頼っている状態で、もし輸入がストップしてしまったら?

もし、販売できませんと言われたら?一体誰が責任を取ってくれるのでしょう。

震災やコロナ禍などで、一時的にスーパーの棚がスカスカになりトイレットペーパーやマスクが空っぽになることがありましたよね。

お金がないと不安ですが、それ以上に買える物がないというのも不安に襲われてしまう私たち。

それならば、外国や政府に頼りっきりではなく、今こそ自分の力で生きる力を養いたい。

いつも買うはずのものを自らの手で作れるのならば、お金は最低限あればいい。

自分で植物を育てたり食糧を育てて採取できるのならば、究極無人島でも生きていける。

最近、そんなふうに考えるようになりました。

人間の本来持っていた力や能力。季節を感じ、天に感謝し、大地と繋がっていた時代の人々の感覚。

しかし、お金で解決しようとすればするほど人任せになり、遠ざかり、忘れられてしまう大切なこと。

資本主義とは真逆の道かもしれませんが、こんな時代だからこそ、それらを取り戻し培っていきたいと思います。

それはきっと、何よりも強い生きる力となってくれる気がするのです。

家庭菜園で自給自足の第一歩

△ある日の晩ごはん。調味料は自家製の玉ねぎ麹や甘酒、塩麹をメインに使用。摘みたてのレタスやハーブがあると嬉しい。

自分たちで育てて摘み取った、不揃いでもみずみずしくて鮮やかな野菜やハーブが食卓に並ぶ。

その光景はとても豊かです。太陽の恵みや雨の恵み、命のありがたみを感じずにはいられません。

少し前までは、働く中でお金を稼ぐことが最優先となり、時間が足りないところはお金で解決していました。

本当は家族のために毎日美味しい手料理を作りたいのに。

まだまだ子どもとゆっくり過ごして、じっくり話を聞いてあげたいのに。

そうして自然の力や植物の力、野生の感覚からどんどん遠ざかっていたように思います。

雇われているときは、一定の収入は得らますが、結局いつも時間に追われていました。

仕事を終えたら園や学童にお迎えに行って、半分寝そうな我が子の手をひいて、スーパーに寄って。

そしてあまり与えたくないお菓子コーナーで駄々をこねられるのです。

「一つだけね。」というお決まりの文句で静かにしてもらい、帰宅後は慌ただしく料理。

その間に何度も「ねぇ、ママ見て!ママ見てってば!」という声が耳に入ってきます。

「これが終わったらね!今そっち見てたらごはん作れないし、けがしちゃうからね!」

毎日、そんなやりとりを繰り返しては、たまにどちらかの雷が落ちるというのが常でした。

しかし、私の仕事はなんだろうと改めて考えた時。

それは、家族の健康を守り、家を守ること、衣食住を追求することでした。

先人の知恵を紡いで、子どもと共に、植物や菌と共に暮らしを循環させていくこと。

そう決めて外で働くことを辞めました。子ども、家族、生きることと、とことん向き合おうと思いました。

もちろん収入は減りましたが、いろんなものを作るようになると買い物をする機会も減ります。

元々コスメや洗剤は作っていたのですが、毎朝のパンやお菓子、料理に使う調味料もほとんど作るようになりました。

「あ!買い忘れてた!どうしよう」「添加物入ってるの嫌だなぁ」という不安や心配も無くなりました。

自分で作れると、スーパーに買いに行くより早くて安くできることもあるし、何よりも美味しくて安心できます。

家庭菜園は子どもと一緒に育てて楽しむ

息子と一緒に植物にお水をあげたり、観察したりする時間はとても充実しています。

「ママ!見て!芽が出てきたよ!」「あ、ちょうちょさんいるよ!」と教えてくれたり。

「なんかこの葉っぱさん元気ないねぇ。どうしたのかな。」と気付いてくれたり。

ウッドデッキのプランターで育てているワイルドストロベリーは、特によく見ていますよ。

実が赤くなると嬉しそうに摘み取って、洗って食べています。

テーブルの料理を見て、自らタイムやチャービルを摘んできてくれることもあるんです。

レタスをとってきてと頼むと、自分たちの食べる分と飼っている虫さんの分もとってきてくれます。


家庭菜園は簡単にうまくいかないからこそ面白い

もちろん、コンパニオンプランツ栽培をしていてもいろんな問題は起こります。

急に葉っぱが食べられていたり、茶色くなっていたり。

花が咲いたと思ったら実を結ぶ前に落ちていたり、なかなか色づかなかったり。

しかし、その都度原因を探してどうすれば改善できるのかを考えることに意味があるのです。

時には虫だったり病気だったり、水の過不足や日光の当たり具合、土の中の状態や肥料の過不足など。

さまざまな可能性がありますが、試してみることで変わるととても嬉しいです。

そして、感覚として何か理解できるところがあるのです。

さらに、一度経験すると次から同じような症状が出ても予想もできるし対処もしやすくなります。

これはもちろん家庭菜園に限った話ではないのですが、なるべく自然のままを大切にしたいのです。

人工的に作られた即効性のあるものや効果の高いものではなく、自然界に存在するもの。

大地から生まれ、大地へと還っていくもの。それらでよりよく育つ手助けをしたいと思うのです。

もちろん、簡単なことではないし失敗も多いし時間もかかります。

けれども、季節や天気や巡り巡る景色の中で、じっくりと焦らずに観察し考察します。

自分の中にストンと落ちてくる感覚が掴めた時、つまり内側に眠っていた感覚に気づいた時。

それはとても気持ちがいいものなのです。

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